西国街道五十一次の道中で撮影した写真を、宿場ごとに分けて並べてみた。
古い建物や何もない街道じゃつまらないので、絵になるものを選んでる。

京都
(題 : 東寺)
西国街道の起点、京都の東寺。国宝の五重塔が有名だが、五重塔の絵は後でダブるので入口を選んだ。


01 山崎
(題 : 火酒蒸留所)
サントリー山崎蒸留所。ここは日本のウイスキー発祥の地。ちなみに、近くにある離宮八幡宮は本邦製油発祥の地だという。


02 芥川
(題 : 仇討の辻)
芥川宿の商店街入口。ここは「芥川仇討の辻」という、江戸時代初期に少年が父親の仇討ちをしたところ。


03 郡山
(題 : 太陽の塔)
万博公園の太陽の塔。岡本太郎の代表作の1つである。ここから郡山宿は離れているが、まあよしとしよう。


04 瀬川
(題 : 瀧安寺)
箕面公園の瀧安寺。瀬川宿は自動車教習所しかなかったので、近くの箕面公園から選択。瀧安寺は山岳信仰修験道の根本道場として、全国各地から修験者が集まるという。


05 昆陽
(題 : 秋桜園)
武庫川のコスモス園。ここはかつて「髭の渡し」という渡し場があった場所。河川敷には約550万本のコスモスが咲き乱れている。


06 西宮
(題 : 甲子園球場)
高校野球でも有名な阪神甲子園球場。昔の甲子園は球場全体を覆うツタで有名だったが、全面リフォームした際に伐採されたようだ。その後に再植樹したというので、その内に昔のようになるだろう。


07 兵庫
(題 : 鉄塔の美女)
神戸のランドマークであるポートタワー。世界初のパイプ構造の建造物で、日本で初めてライトアップされた建造物でもある。独特の構造・形状から「鉄塔の美女」とも称され、高層建築物のモデルの一つとなっている。


08 明石
(題 : 魚の棚)
明石の台所である魚の棚商店街。全長350mのアーケードの下に、魚介類や練り製品、乾物などを扱う商店が軒を連ねている。師走には大漁旗が立ち並ぶようだ。


09 加古川
(題 : 人形の家)
寺家商店街にある人形の家陣屋。陣屋は参勤交代のために加古川宿を通行、宿泊する大名の応接などに使われたところで、その跡地が店の隣にある。


10 御着
(題 : 御着城址)
御着城址公園の入口にある石碑。1579年(天正7年)に羽柴秀吉に攻められるまで城があった場所で、廃城後の江戸時代には御着本陣が置かれていたという。


11 姫路
(題 : 大改修)
普通の姫路城を撮影したかったが、あいにく工事中。だが、これも珍しい景色なので逢えて選んだ。


12 正條
(題 : 正條の植木)
正條宿の風景。近くの川に渡し場跡があったが、絵にならなかったので、宿場で手入れの行き届いた木を撮影。


13 片島
(題 : 今昔庵)
宿場の手前にある今昔庵という菓子屋。江戸時代からあったわけではないが、創業は昭和2年と歴史は古い。播州特産の塩を使用した「塩あめ」が人気。


14 有年
(題 : 有年大池)
有年の山中にある有年大池。何のことはないため池だが、映画「BALLAD〜名もなき恋のうた」のロケ地に使われて名が知られてるようだ。


15 三石
(題 : 煉瓦工場)
写真は三石煉瓦工場。三石は明治の頃から耐火レンガの町としても有名で、周辺には工場の煙突が林立している。


16 片上
(題 : 備前焼)
備州窯で売られていた備前焼。片上周辺には備前焼の窯元が多くあり、宇佐八幡宮の狛犬も備前焼で作られていた。ちなみに、写真右手の皿や壷は百万円位で売ってた。


17 藤井
(題 : 素盞嗚神社)
藤井宿にあるすさのお神社。幕末の頃、備前藩は長州征伐に赴く藩士を岡山城下に通過させないため、写真右手にある北方へ道へ迂回させていたという。


18 岡山
(題 : 廣榮堂)
きびだんごの老舗である廣榮堂本店と広栄堂武田。2つ店があるが、名前が似てるので同じ系列なのだろう。左端に路面電車が写せれば、もっと絵になった。


19 板倉
(題 : 備中国分寺)
五重塔が美しい備中国分寺。奈良時代に聖武天皇によって創建されたもの。南北朝時代に焼失して一時は廃寺になったが、江戸時代に現在の寺が再建されたという。


20 川辺
(題 : 倉敷の石橋)
倉敷美観地区の石橋。川辺宿とは全然関係ないが、絵になるものが宿場になかったので、その前に寄った倉敷の写真を選んだ。


21 矢掛
(題 : 佐藤玉雲堂)
矢掛宿にある佐藤玉雲堂。名物「柚べし」を販売する店。篤姫が江戸に向かう途中で矢掛本陣に泊まったらしく、その時にこの柚べしを食べたという。


22 七日市
(題 : 日芳橋)
小田川に架かる日芳橋。江戸時代後期に橋が架かるまでは川渡しだったようで、橋の近くには「川越し上がり場跡」の碑があった。


23 高屋
(題:子守唄の里)
子守唄高屋駅前の銅像。高屋は中国地方の子守唄発祥の地。地元の声楽家が作曲家の山田耕作に歌を聞かせたことで、その子守唄が有名になったようだ。


24 神辺
(題:高屋川)
宿場手前の高屋川。川面に空が反射して綺麗だったが、雲が多すぎたのが残念。ちなみに、川の向こうに並んでいるのは寺。


25 今津
(題:高諸神社)
今津宿にある「おつるぎさん」とも称される高諸神社。御神体は剣形をした石で、現在も本殿の地下に納めてあるという。


26 尾道
(題:尾道遠望)
浄土時展望台から眺めた尾道。眼下には尾道市内や尾道水道、向島にある造船所や瀬戸内の島々を眺めることができる。 夕日スポットとしても知られているようだ。


27 三原
(題 : 松寿寺)
三原宿から見えた松寿寺の三重塔。三原築城以前の1365年(貞治4年)に創立された、三原でも古い寺。塔は昭和63年に再建されたもので、敷地の広さから木割りを決めて全ての寸法が決定されという。


28 本郷
(題 : 新高山)
本郷橋から撮影した沼田川。山は城跡である新高山。その右には古高山があったので、それも写して対照的にすればもっと良かった。


29 西条
(題 : 福美人酒造)
西条宿にある福美人酒造。酒都の西条宿には他にも「加茂鶴」などの酒造会社があり、このような煉瓦作りの煙突や、なまこ壁の酒蔵が多く見られる。


30 海田市
(題 : 出迎えの松)
瀬野川沿いにある出迎えの松。参勤交代の殿様を、家来や村人達がここまで迎えに来たことからその名が付けられたという。


31 広島
(題 : 原爆記念碑)
平和のシンボルとしても有名な原爆ドーム。日本の広島市に投下された原子爆弾の惨禍を今に伝える記念碑で、元は広島県物産陳列館だった。


32 廿日市
(題 : 廿日市天満宮)
廿日市市内や瀬戸内海を望める丘の上にある廿日市天満宮。瀬戸内海の景観を望むことができる。厳島神社の神主として鎌倉幕府に任命された藤原親実が、守護神として鎌倉の天神を勧請したのが始まりという。


33 玖波
(題 : 宮島)
日本三景の一つである宮島の大鳥居。玖波宿には何もなかったので、代わりに宮島を選んだ。おそらく西国街道を歩いた江戸時代の旅人も、船で宮島に寄ったことだろう。


34 関戸
(題 : 錦帯橋)
岩国市の錦川に架橋された、木造アーチ橋の錦帯橋。ここと東京の日本橋、長崎の眼鏡橋が日本三名橋だという。ちなみに日本三奇橋もあり、それはこの錦帯橋と山梨の猿橋に、栃木の神橋か徳島のかづら橋を入れた三つのようだ。


35 玖珂
(題 : 鞍掛合戦の地)
宿場の風景。玖珂は毛利元就と杉隆泰のが戦った鞍掛合戦の地。その模様を忠実に再現する「鞍掛出陣絵巻」をメインにした「鞍掛城まつり」が、毎年実施されているようだ。


36 高森
(題 : 高森天満宮)
菅原道真公と大山祇命が祭祀されている高森天満宮。毎年開催される「秋季大祭」では、御神幸、周東ふるさと太鼓のパレードなどが行なわれるという。小説家の宇野千代ゆかりの地でもあり、文学碑も立っている。


37 今市
(題 : 線路図)
今市宿手前にあった岩徳線の線路。気動車の線路なので電線はなく、柵もないのでとても絵になる。ちなみに岩徳線は黄色と白の車輌で一両編成の車輌。


38 呼坂
(題 : 海老曲坂)
宿場の風景。呼坂は海老のように曲がった坂が語源で、その後に詠み方を変え呼び坂となったと言われている。名前に坂があるので、坂の写真を撮影した。


39 久保市
(題 : 竹林)
宿場の風景。周辺には絵になるものが何もなかったので、唯一印象に残った竹藪の写真を選んだ。


40 花岡
(題:閼伽井坊塔婆)
花岡八幡宮にある重要文化財の閼伽井坊塔婆(多宝塔)。藤原鎌足が建立したと伝えられる日本十六塔の一つで、現存のものは室町時代に再建。


41 徳山
(題 : 徳山商店街)
徳山駅前の商店街「ピアモール銀座」。特徴的なアーケードを持つこの通りには、近鉄松下百貨店本館がある。


42 福川
(題 : 男自慢酒造)
福川宿にある男自慢酒造。糖類等添加物を一切使用しない昔ながらの製法、本格的な日本酒を販売している。その「男自慢」は、画家の岸田劉生がこよなく愛した酒とのこと。


43 富海
(題 : 天野屋利兵衛)
椿峠にある「天野屋利兵衛」というドライブイン。天野屋利兵衛は椿峠南の四郎谷の生まれで、赤穂浪士の吉良邸討ち入りを支援したといわれている商人。ドライブインは閉店していた。


44 宮市
(題 : 大階段)
日本三大天神の一つである防府天満宮。学問の神様として崇められる菅原道真を祀った「日本最初の天満宮」でもある。約1トンある御網代を引っ張って、表参道の大階段を上り下りする御神幸祭(裸坊祭)は、西日本屈指の荒祭りとしても有名。


45 小郡
(題 : 東津橋)
小郡宿へ向かう前にある、椹野川に架かる東津橋。最初の橋は明治5年に掛けられ、その後何度か架け替えられ現在の橋になったようだ。ちなみに椹野川は、「東川」「東津川」「妙湛寺川」と言われることもあるという。


46 山中
(題 : 熊野神社)
山中宿の街道筋にある熊野神社。ここは日本では珍しいツルマンリョウの自生地。ツルマンリョウは中国南部と台湾に見られ、日本では屋久島や奈良県、山口県などでまれに見られるという。


47 船木
(題 : 岡崎八幡宮)
船木にある岡崎八幡宮。一般の神社は市販の清酒を御神酒とするが、ここは室町古来から口伝えで継承されてきた製法現在も白酒の御神酒を作っている。御神酒清酒醸造免許神社は、この神社と伊勢神宮、出雲大社、莫越山神社のの四社だけだという。


48 厚狭市
(題 : 三年根寝太郎)
厚狭駅前にある、日本民話で有名な三年根寝太郎の像。話の内容は、3年間寝ていた怠け者の男が、突然アイデアを思いついて財を成すというもの。「寝太郎」という焼酎も売っている。


49 吉田
(題 : 東行庵)
高杉晋作と奇兵隊士の墓がある東行庵。晋作の愛人だった「おうの」が、彼の死後に尼となって菩堤を弔った場所。駐車場では強引に結びつけたと思われる「晋作もち」が売られていた。


50 小月
(題 : 日清食品)
小月にある日清食品の工場。カップ麺の元祖である「日清カップヌードル」の大きな模型が、シンボルとして屋上に飾られている。


51 長府
(題 : 忌宮神社)
「二の宮さん」と呼ばれ親しまれている長府の忌宮神社。古事記や日本書記にも記されている神社で、毎年8月に行われる「数方庭祭」は天下の奇祭で有名。


下関
(題 : 赤間神宮)
西国街道の終点である下関の赤間神宮。源平壇之浦の合戦に敗れ、わずか8歳で関門海峡に入水された安徳天皇を祀っている。ちなみに、ここは琵琶法師で知られる「耳なし芳一」が住んでいたところでもある。



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